St.Valentaine

今日はバレンタイン。

世間の女性は好きな人にチョコと愛を渡すこの日を待ち望んでいた。

そしてここにも待ち望んでいた人が・・・

「あぁ、今日はバレンタインかぁ♪」

「剛くん、今日なんかご機嫌ですねぇ」

「そうですか?(笑)まぁ、バレンタインやからねぇ」

スタッフにもわかるくらい今日の俺は機嫌が良かった。

だって、いつもは素直になってくれないあいつでも今日くらいは俺に愛をくれるはずやねん。

いつもよりテキパキと仕事をこなした俺はあいつの元へ急いだ。

************************************************

「ただいまー」

玄関を開けると愛犬が俺を迎えてくれた。

「おぉ、ケンシロウ。ただいま」

ケンシロウと玄関でじゃれあっていると、リビングから顔がひょこっと表れ

「あ、剛。お帰りなさい」

これが俺らのいつものやりとり・・・

ただいま」

愛犬を抱えながらのいるリビングに向かった。

リビングではがソファーに座ってテレビを見ている。

愛犬を下ろすと俺はの隣に座った。

「どうしたの?」

「チョコレート・・・」

「えっ?」

「チョコレートは?」

俺はからのチョコレートを期待しながら聞いた。

しかし、その期待は一瞬で崩れ去ってしまった。

「チョコ?そんなの用意してないよ。何、食べたかったの?そんなことより早く着替えてきたら?」

「そんなことって・・・今日はバレンタインやん!!女の子が好きなひとにチョコを渡して愛を伝える日やで!!」

「そうだったけ?忘れてた」

はしらっとした顔でそう言うとテレビに目を向けた。

「もう、ええ・・・」

落胆した俺は涙ぐみながらの傍を離れ着替えるために寝室に向かった。

「なんやねん・・・今日めっちゃ楽しみにしてたのに・・・」

シャツを脱ぎながら文句を言いつつ着替えを出すのに引き出しを開けるとそこには見慣れない箱が・・・

「ん?何やこれ?・・・もしかして・・・」

箱の中にはチョコレートと一緒に、愛してるよ剛 というメッセージが・・・

・・・」

箱を持ってリビングに行くと顔を真っ赤にさせたが立っていた。

俺は嬉しさのあまりに抱きついた。

「ちょ・・・あぶないって」

〜俺も愛してるで♪」

END